１９９０年代の〝空気感〟を見事に真空パックして世に放り出したような作品。９０年代を主人公スティーヴィーと同じく１０代で過ごした自分にとってはただただ共感しかなった。早く大人になりたいと願い、不良少年たちが眩しく見えた。彼らといることで自分も強くなれたと勘違いする自分。すべてが共感できた。今思えば馬鹿だった。と思うけれど、あの当時はそれが全てだった。どうしたらカッコよくなれるのか、どうしたら大人なのか、反抗期はそれを模索しているからこその衝動だと思う。この映画でのスティーヴィーのメンターとなるレイ。レイは本当にカッコいい。いつでも不良少年の中にレイのように輝く存在がいた。９０年代を過ごした１０代の感覚に戻らせてくれた映画。
