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mid90s ミッドナインティーズのsilkのレビュー・感想・評価

4.6
昨年夏に日本公開されず、もう無理か…と半ば観るのを諦めてたけど、今年夏に公開が決まり、テンションMAXに。2年越しでやっと観れた!

最高だったぁ………。まず主演のSunny Suljicくんが可愛いすぎて癒し。本作は美少年が堕ちていく系映画の最高峰と言っても過言ではないでしょう("DEEP END 早春"と良い勝負)。映画ではスケボー初心者として描かれているけど、Sunnyくんのインスタを見ると、レイのようにバキバキにスケボー技を決めまくってて凄い。(そして映画撮影時よりかなり成長してて立派な青年になっている。)

●一緒に観に行った友達から聞いた話
一昔前のアメリカでは、学生が注意欠陥症の薬をドラッグとして飲むのが流行ったそう(通称、スマートドラッグと言う)。ラリッたりする訳ではないけど、集中力がめちゃくちゃ上がって、何日も寝なくても済んだり記憶力が飛躍的に上がったりするらしい。そんな訳で、それを飲んで昼間は試験で良い点数を取って、夜は眠らずパーティーをするというのが流行ったとか。ファックシットが持っていた薬はそれかもしれません。








🚨ウジウジ考えた感想、ここからちょっとネタバレ

この話、自分にとっては教訓話のようで、グサグサ刺さった。というのも、私は現状に不満を持ちやすい性格で、常に自分のホームではない外国やコミュニティーに憧れを抱いたり、今いる場所からいなくなりたいと思ったりしている。
スティーヴィーは、憧れていた歳上のスケボー集団に入り、兄貴達に可愛がってもらう。しかしそこで見えてきたのは、どうにかして這い上がろうと努力する人、ひたすらに現実逃避をして狂っていく人、貧困の中で叶わぬ夢を見る人、自分の居場所を脅かされ嫉妬する人………。どこにでもある、ただただリアルで人間臭い、各々の葛藤だった。そして、最後、フォースグレードが作った明るくイカした雰囲気の動画が虚しく映る。結果、一番若くて無知な人間が犠牲を払うというストーリーラインも、社会構造を暗示しているようだった。
そんなこんなで、私は、自分がよく知らない世界に目を向けて羨むのではなく、今いる世界から幸せや喜びを見つけていきたいと思った。(唐突に話が飛躍)

あっ個人的に、病院でのレイの言葉「一番悲惨な目に遭ってるな。その必要はないだろ。」は、スティーヴィーに「俺たちからはもう離れろ」と告げているのかなと思った。スケボーグループに関しては、あまり友情や青春の様なキラキラは感じ取れず、どちらかと言うとカーストを強く感じた。描き方も、完全にスティーヴィー視点とは言い切れず、第三者がスティーヴィーの小さな世界から社会の構図をあぶり出している様に見えた。根暗の見解です(笑)

まぁウジウジ考えなくても、映像と音楽がとにかく最高で好き。あと、本作のルーカスヘッジズが、治安悪めで、他の作品とは全然違った雰囲気で良かった。
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