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mid90s ミッドナインティーズのAKのレビュー・感想・評価

3.9
監督のジョナ・ヒルと年齢が一個しか違わないので冒頭タートルズのブランケットのうえに放り投げられたスーファミのコントローラーを観た瞬間から「わかる」の連続。イケてる近所の悪い兄ちゃんたちがスケボーしてるのを眺める感じ、オルタナのかかった古着屋のドアを開けるあの感じ...

ょっとネタバレで申し訳ないが、自動車事故による物語の中断、というのは映画的なクリシェだと思うけれど、でもそれって実人生においても「よくある話」なわけで、こういう自伝的映画の場合はそれをどう評価したらいいんでしょうね。正直尻切れとんぼは否めない。

ベスト「わかる」ポイントだったのは、兄貴の部屋に忍び込んでCDのアルバム名を必死にメモするあの行為。00sだったけど、四谷のジャズ喫茶「いーぐる」に通ってそこで流れるレコードの名前を必死にメモして帰りの新宿ツタヤでレンタルしてた。バド・パウエルもスティーヴ・キューンもそこで見つけた。あの「背伸びする感覚」がたまらないし、この映画はそこが本当によく書けてる。

しかし、90sが完全にノスタルジアの対象に入ったってのがよくわかった映画でした。音楽や服装では10年代前半から80sリバイバルだけど、こりゃもう順当に90s回帰が始まってますね。博論の完成を急ぎます。
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