MasaichiYaguchi

太陽は動かないのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

太陽は動かない(2020年製作の映画)
3.5
吉田修一さんのスパイアクション小説「太陽は動かない」「森は知っている」を原作に、藤原竜也さんと竹内涼真さんの初共演で羽住英一郎監督が映画化した本作では、次世代エネルギーの極秘情報を巡って各国のエージェントたちと頭脳戦や肉弾戦がスケール大きく繰り広げられる。
藤原竜也さんと竹内涼真さん演じる鷹野一彦と田岡亮一は謎の秘密組織「AN通信」に属していて、産業スパイとして諜報活動に勤しんでいる。
この「AN通信」のエージェントの心臓には爆弾が埋め込まれていて、24時間毎の定期連絡をしないと爆死するという“ルール”がある。
つまり彼らは死の恐怖と背中合わせに1日1日を精一杯生きている。
本作で各国のエージェントが争奪戦を繰り広げる次世代エネルギーとは太陽光発電システムなのだが、仕事として携わった個人的な見解として、設備投資が掛かる割には減価償却がこれ程悪いものはないような気がする。
一時期は政府の買取制度の後押しもあって製造工場のラインを増やして増産していたソーラーパネルやパワーコンディショナーだったが、今では事業撤退して跡形もない。
だから映画で未来エネルギーとして“それ行けドンドン状態”なのが、個人的にうら淋しく感じられてしまった。
本作では主人公の鷹野が「AN通信」のエージェントになった経緯も並行して描かれていき、そこにある様々な社会問題も浮き彫りにされていく。
果たして敵味方入り乱れての諜報戦はどのような結末を迎えるのか?
本作がヒットしたらシリーズ化されそうな気がするが、続編の登場に期待したい。