ちゃんと復讐劇、夫と赤子を失いレイプと条件完備。幸薄そうな美人を主人公にしたのも良いが、服をはぎとる気配のない入れるだけレイプや子供は殺すものの画面外という映し方に日よりを感じた部分もある。復讐も一人目だけ過激で、あとは他人任せが強い。その他人というのがコクジで、復讐への道案内を通して途中から異種の交流モノへ変化する。異種に虐げられ、異種によって救いを得る。最初は同じく自分も黒人を下に見ている主人公。この上下という図式がいけないのかもしれないと感じさせる。異種的世界の受け止め方の中にある共通項なのかもしれないが、直らないなら殺す、という暴力をラストへ持ってしたのは印象的。しかし、一人殺した時点で帰りたいとぐずる主人公の姿も一方でリアル。居場所をなくした二人がお互いの異種に救われるという筋なのか。
