Polly

ナイチンゲールのPollyのレビュー・感想・評価

ナイチンゲール(2019年製作の映画)
3.3
イギリス/アイルランドの刑務所(流刑地)として、文明化を進めていたオーストラリア(タスマニア)にて、アイルランド人女囚人のClareがイギリス将校に復讐するため追いかける旅に出る話。その道中案内をする役として、アボリジニ青年Billyと交流していく。

憎しみの連鎖が悲しい。残酷なシーンが多く、もう十分…と思う程。

権力を使って人を脅迫・レイプ・殺害するイギリス将校。そのイギリス将校を憎み、アボリジニは野蛮で泥棒だと軽蔑するアイルランド人。「白人」に迫害され家族や仲間を皆殺しにされ、白人を憎むアボリジニ。それぞれ言い分はあるが、殺し合う必要がどこにあるのか。普通にしてたらそう思うが、殺すか殺されるかだと思うと、何が正しいか考えること自体無意味なように感じる。それと同時に、人を一人殺すということがどれだけ大きな負担となるか、も感じる不思議。

ClareとBillyが旅を続ける中で、お互いを理解していく様子は良い。Billyだけがまともで、冗談言ったり、少しホッとする。(正直Clareは段々変わってはくるもののわがまま。特殊な環境下で滅入っているのはわかるけど…) 彼だけは自分の土地を奪われてるという事実と、Clare個人を分けて見てくれていると途中で感じる。
基本的には辛いことが多いこの映画、何度も観るのは辛すぎるが、オーストラリアがどうやって出来ていったかを思い出すきっかけになる。

またいくつかのシーンがこの監督のデビュー作のババドック感があった。We’re all rightのシーンと最後の方の錯乱シーン。こういうシーンが芸術的で好き。

★★
ヴェネツィア国際映画祭に初めて行きました!今年は第75回の年です。
会場はイタリアのリド島(ヴェネツィアの本島?から水上バスで約20分)のリゾート地。ビーチもあってバスも通ってて、なんとなくそれこそオーストラリアみたいな雰囲気。会場に着くと、メイン会場、レッドカーペットに加えて、カジノやバー、グッズ売り場などもありフェス感がありました。ビーチがすぐそこなのも素敵。関係者/招待客IDの人が多かったのも印象的。
(申し訳ないけど、東京国際映画祭とは全然違う笑)レッドカーペット前には出待ちの女の子が沢山。あまーい役が多いサムクラフリン、この映画を女の子達が観たら…と勝手に心配してしまう笑

劇場は映画館というより舞台みたいな作りで、監督や主要キャストや撮影陣が二階席真ん中(というのかな?)で観ていました。
上映前には1人ずつ立って挨拶&上映後は拍手に包まれてキャストがハグしあったり良い雰囲気。映画自体もイタリア語字幕に加えて英語があったので95%くらいわかって大満足。(特にこの映画はアボリジニのネイティブ言語やアイリッシュが混ざってたので字幕なしじゃ半分くらいしかわからなかったと思います)

ただ残念だったのは、上映中の観客のマナー。遅れて入ってきたり出て行く人もいれば、コソコソ話を頻繁にする人達、挙げ句の果てには携帯が鳴る人まで!!!監督やキャストがいる一流映画祭でこれか?!とイラっとしてしまいました。。招待客も多くなれば意識の低いインスタ写真撮りに来てる人もいるんだろうな。

全体通しては映画祭雰囲気味わえてとっても満足でした。また行きたいなぁ。サンダンスも行ってみたい(一般客無理かな?)
Polly

Polly