ねこみみ

ある画家の数奇な運命のねこみみのレビュー・感想・評価

ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)
3.5
元々なんとなく気になっていたけれど、ゲルハルト・リヒターの半生が基になっていると後から知り、上映終了前にと駆け込み鑑賞。
189分を自宅で見れる自信がなかった笑

最近、ゲルハルト・リヒターの作品を箱根のポーラ美術館が30億円で落札した。いつ観れるのだろうか。

主題は画家の「真実」なので、ナチスの愚行は遠目に描かれているけれど、その真実が繋がっているのは結局ナチスの愚行だ。
どこまでが本当なのかは知らないけれど、彼を取り巻く人間関係はたしかに数奇な運命だった。

胸糞悪い、逆らえない権力は、なにも政権だけじゃなく、家庭内にもいくらでもある。
でも、良い人と出会えてよかったね。

トム・シリングの映画を初めてみたけど、この映画ではとにかくセリフが少なく、所作と表情で演技をしているのが印象的だった。

どなたかも書いてたけど、なんだか錦戸亮に似てる。。。
顔だけじゃなく、目や表情、所作の演技もすごく似てる。悲しげな、儚げな、憂いを帯びた表情、雰囲気。口で言わずとも何かを訴えてくるような。

彼の演技を見ているだけで3時間過ぎていった感覚さえある。
これを観ることで、一見意味がわからないように見える芸術作品にも、それぞれの人生が込められているように見えてくる。

それから、あの壁画、撮影で塗りつぶすためにどこかの画家に描いてもらったんたろうか…?とか余計なことを考えてしまった。

ものすごく面白い!!とかではなかったけど、観てよかったな。
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