トム

7月22日のトムのレビュー・感想・評価

7月22日(2018年製作の映画)
3.6
●あらすじ
実話。2011年7月22日ノルウェーのウトヤ島で69人の学生が射殺される事件が起こった。

●感想
あまりにも残酷な事実

当時高校生だった私はニュースを見て衝撃を受けた。69人もの学生が殺されていたからだ。その事があり鑑賞に至った。

射殺シーンは涙が出そうになる。
後方から躊躇なく放たれる弾丸。学生たちの飛び交う断末魔。学生を殺すために必ず2発目を撃ち、息の根を止める犯人。
あまりにも残酷で非情すぎる。

犯人が弁護士に「なぜ子供たちを殺したか」の理由を述べるシーンがある。この犯人の言葉が信じられなかった。酷すぎるし胸糞悪い。

この作品は弁護士という視点も描かれる作品で、辛い仕事だという事が伝わってくる。犯罪者を弁護する仕事。さらに、犯罪者と直接関わる訳で、家族にも危害が及ぶ可能性がある。

被害者視点の描写中心で進むが、ファントムペインなど戦争に行った人が持ったりする症状を、純粋な学生が持ってる現実が残酷に見えた。彼の最後の勇気は素晴らしかった。

なぜこのようなモンスターが生まれたのか?
犯人の家庭環境は確かに良いモノではなかった。しかし、このぐらいの家庭ならどこにでもいるし、大量殺人を犯すほどの人格形成の理由としてはおかしいと思った。

一つ犯人の事を理解できるものもあった。
もちろん思想を通すために殺人を行なった事を除いて。
それが、どこかというと犯人のいう移民受け入れ反対という件。
日本人なら理解できる方が圧倒的に多いだろう。日本は移民受け入れが少ないからだ。
私自身、移民受け入れは治安悪化の恐れになると思う。ベトナム研修生による犯罪が増えているからだ。
ただこれはベトナム人が悪いとは思わない。ここからは犯人と答えは変わってくる。悪いのは日本の受け入れ基盤だと思う。待遇が悪く犯罪に走りやすい構造になってるからだ。
とすれば、少子高齢化もあるし基盤さえ整えば移民受け入れ促進して良いと思う。まぁ、難しいから少しずつになるだろうけども。

難点としては、実話モノだから仕方ないかもしれないけど、長く感じてしまう点。
一応それでも、世の中の真実を知る作品としては見る価値があると思う。
トム

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