まー

7月22日のまーのレビュー・感想・評価

7月22日(2018年製作の映画)
4.5
素晴らしかったです。

この凄惨な事件を映画化すること自体に批判もあるそうですが、ビリヤルが出す答えこそテロリズムに対する最大の武器なんだと思います。脚本が素晴らしいし、この事件にとても真摯に向き合ってると感じました。

テロのシーンがメインではなく、その後、人々がどう生き、闘ったかがメイン。
ビリヤルの証言は涙無くして見られませんでした。
人権派弁護士のゲイルも良かった。法に従い人権を守るが故の葛藤を隠し、常に淡々と仕事をこなしてきた彼が最後に言い放つ言葉が痛快。彼の戦いも見応えがありました。
首相はなんだろう…何かやったっけ?感が…

この事件、日本も他人事では無い。ネット上どころか国会議員までも差別的な言動、マイノリティを排斥するような発言を繰り返す始末。自覚のない極右。移民を受け入れることになったら同じ事をするクズが必ず現れるし、今でもそのうち出てきます。他人事ではないんです。国が荒れると必ず出てくるんです。ナチスと同じ。

映画としてのクオリティも非常に高いです。
ポール・グリーングラス監督ということでさすがテロからビリヤルのリハビリ、裁判まで終始緊迫感がすごい。この監督の作品、いい意味で疲れるんですよね。

映画館で見たら☆5だったろうなぁ…そこが残念。
まー

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