このテロ事件が起きてからもう7年も経つことに驚いた。
序盤から事件の進行が早い。
あっという間に惨劇に入り、あっさり捕まる。
どういうことかというと、今作では事件後の被害者たちの心の傷にスポットを当てている。
事件自体の凄惨さを全面に出さない方が、ジャーナリズムの精神性が垣間見える。
キーパーソンの一人であるテロリストを弁護する弁護士。
彼もまた被害者である。
犯人を弁護することで脅かされる日常。
これはニュースでは報道されない。
映画でしか描けない部分であり、このあたりまで包括的に描けていることは素晴らしい。
ただ、正直展開は決まっているので、食傷気味なのも否めない。
もっとリアリティある葛藤が観たかった気もする。
3月に公開される「ウトヤ島」は恐らく事件そのものを中心に描くだろうが、果たしてどういう仕上がりになっているか気になる。