本当に、NETFLIX入ってて良かったと思える傑作。ずっと観たかった作品。
作り手のこと全く意識することなくこの作品、というか現実に限りなく近い世界に没入でき、終始ただただ圧倒されていた。
画作りも、ほぼワイドショットとパンでカメラが動かされ、同じ画面の前景と背景で異なる複数の出来事が起きていたので、観客を誘導するような意識的ショットも無かったからこそ、客観性が生まれて圧倒されたのかもしれない...
こういう監督を尊重した傑作が生まれる環境は、今の映画界はもはやNETFLIXなどサブスクだけなのでは。とも思った。
とにかく、"記憶"という曖昧なものだからこそ絶対モノクロじゃなきゃだめな作品だし、『万引き家族』『パラサイト』とも通じるテーマがあったと思う。
病院のシーンで、おばあちゃんがクレオの誕生日とか歳とか聞かれたとき、「知らないの...」といいながら泣いているのがある意味残酷で印象に残ったなぁ。
他のレビューにも書いてあったけど、確かにタルコフスキーのような、『クーリンチェ少年殺人事件』のような作品。
評判通り、大傑作でした。