あお

ROMA/ローマのあおのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.9
監督が自分自身の幼少期を振り返り、故郷への愛、そして育ててくれた家政婦への愛を込めて作り上げた作品。

白黒の映像が美しい。
家の調度品、街並み、雨や水、そして光。
全てにこだわりが感じられる。

音楽は一切ない。
生活音だけをバックに淡々と描かれる日常は、まるでドキュメンタリーのようだ。

命を宿し、その命を失った主人公が、
溺れかけた雇い主の子どもを助ける。
そして、自分の胸の内を初めて吐き出すシーンは圧巻だ。

その時に、彼女を抱きしめる腕があってよかった。 
あなたを愛していると言ってくれる人たちがいてよかった。

彼女はここから、また新たに歩んでいくことができるだろう。

これは、最悪最低な男たちとは正反対に、自分の人生を前向きに歩もうとする、力強い女性たちの物語でもある。

ラストシーンで、主人公は洗濯物を抱えて屋上へ続く長い階段を登っていく。

その先に、広い空と幸せな未来が見える気がした。
あお

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