パンナコッタ

ROMA/ローマのパンナコッタのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.2
淡々としている。起伏があるわけではないというのは構成上の問題であって映像は実に印象的なまでに強固に確立されたスタイルだ。ゆっくりと水平移動していくカメラが映す全景で自身を確かめるように、クレアの存在を位置付ける。メキシコの中流家庭。問題を含んだその家庭で家政婦という立ち位置である彼女の一歩退いた視線がなんとも残る。映画のデートシーンなんかでもそうだけど、いちいち画面の力が強くて違った感情を幾つも一つのスクリーンに同居させるっていうのは見所。(ぺぺとの掛け合いなんて超好き)だからこそ、後半の海辺を走るクレアのみにピントを合わせたシーケンスが残るんだと思う。すごくいい映画だし映画館で観るべきだったなあ。