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ROMA/ローマのmrpinkのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.5
ある中流家庭の人間模様を、家政婦の視点から、動乱の70年代メキシコの世相を交え、全編モノクロームの映像で描く。

まず、その美しい映像に引き込まれる。登場人物のアップや、台詞は少なく、物語は淡々と進み、最初はドキュメンタリーを見ているかのような錯覚に陥る。

そして、いつの間にか主人公の朴訥な演技に誘われ、映画そのものに深く没入していく。

物語は極めてパーソナル、且つモノクロームのスペイン語作品という決して間口が広いとは言えない素材を、65mmのDolby Atmosという劇場鑑賞が想定された拘りのフォーマットで作品にし、ストリーミングで全世界に届けたキュアロン。

たくさんの人々にこの作品を見て欲しかったという作り手の動機が、観客の映画の見方を変えた。
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