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ROMA/ローマのtokoのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.6
モノクロだから、映画に入り込めるって有るんだなぁ。
街並みや空や木々や海に色を感じたのは、それぞれの音が想像力を助けていたからかな…

住込みで働くクレアには、帰る家も無い。
自分の立場と運命を受け入れ、雇い主の子供達にも慕われ淡々と仕事をこなす毎日を過ごす。

そんな彼女もロマンスに憧れる年頃の女の子。

でも好きになった男は、口先だけの無責任男。
妊娠し悩むクレア…

クレアと雇い主との関係を表している前半は、淡々過ぎてちょっと退屈でしたが、その淡々とした生活が後半は色々な事が起きて来ます。
説明的な台詞は女主人と彼女の旦那さんの事だけで、クレアの気持ちは前半は語られません。

後半のクレアの悲劇によって、雇われ先の家族との絆とそれぞれのクレアを想う愛が胸を打ちます。
特に子供達のクレアへの愛と絆が救いでした。

そんな気持をゆっくり体験出来るのは、映画館という現実をシャットアウトした空間で観る映画だからでしょう。
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