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ラストレターのcherryのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
4.4
300作品目!ずっと気になっていた今作を観た。
岩井俊二監督作品が好きだからどうしてもワクワク感を持って観てしまうけど、それでも好きだと思える映画だった。

広瀬すず&森七菜というこの二人が出演している時点で透明感が物凄い。二人が並んでいるだけで絵になるし、とにかく可愛かった。
広瀬すずが話す「拝啓、乙坂鏡史郎様〜」の言葉だけで目の前の景色が広がっていくような感覚があった。手紙のやり取りで話が進んでいくから、内容が平坦になってしまいそうなものだけどそんな事はなく、神木隆之介演じる乙坂鏡史郎の高校時代の回想シーンもあることで楽しく観れた。

また、映像が綺麗で作品自体の透明度が高い。光の入り方がとても綺麗で良かった。初めて彼女を見た時の夏の日差しも、妹に手紙を手渡す木漏れ日もいつも柔らかい光の中にこの物語があって、そこが好きだった。
主題歌は、森七菜の「カエルノウタ」
澄んだ声が今作に合っていた。作中では手紙を読むシーンの少ない彼女の声が物語の最後で聴けるのが良い。

あとは「四月物語」の松たか子に「Love Letter」の中山美穂らが出ていることもなんだか嬉しかった。
リリイシュシュ、リップヴァンウィンクル〜などどこか夢の中のような話だと感じるものが多いけど、今作は現実の出来事というのがまざまざと分かる。変えようのない事実が冒頭から描かれていてつらかった。

誰がどう言おうと、彼の存在は彼女にきっと影響を与えた。そう信じたくなる映画だった。
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