佳子

ラストレターの佳子のレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
4.1
2020年劇場観賞2本目

拝啓 岩井俊二さま

お久しぶりです。
当時の住んでいた大学の寮の近くにあったレンタル店で、まだビデオテープだったLove letterを借りてから、21年という月日が流れました。
高校生の時スワロウテイルを観てから、あなたは私のヒーローでした。
今や、映画は動画配信で観る時代となり、全てがLINEで済んでしまいますね。
便箋で綴る手紙を最後に書いたのがいつだったか、私自身すぐには思い出せません。

時代が変わっても、囚われていた過去から少しだけ歩き出すというあの時と同じテーマで、美しい作品を作って下さりありがとうございます。

広瀬すずも、森七菜もこれからの映画界を背負う女優となっていくのでしょうが、本作はその彼女達の今しかない輝きを写し撮った貴重な作品となることでしょう。

夏のワンピース。
滝での水遊び。
プールサイドの花火。
おとうさん、ただいま。

お互いが等しく尊く輝いていた美しい日々。

豊川悦司と中山美穂が、夢が叶わなかった側の存在として描かれていたのが印象的でした。

あの頃思い描いていた夢とは違っていても、これからも私たちは、他の誰とも違う人生を歩んでいきますね。今日、この作品を観れて幸せでした。
敬具         令和2年 1月26日 

追伸 仲多賀井高校だけは、もう少し普通の名前がよかったです
佳子

佳子