たいちゃん

ラストレターのたいちゃんのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
4.6
とても好きな監督のひとり、岩井俊二。
今回もやはり期待を裏切る事はなかった。
圧倒的なアングラ感もないが大衆的なチープさもない、丁度いい映像美。
今回は街の描写は少なめに感じられた(あったのかもしれないが私には刺さっていないだけかもしれない)が、一方で俳優一人ひとりの良さがとてもよく際立っていた。中でも豊悦の演じる役には、ほんの数分しか出てこなかったが、その短い時間で心臓までも持っていかれるような演技をみせつけられた。
不倫騒動などのスキャンダルが横行する世の中であえてこう攻めていったか、という感じ。まあこの映画は2度目の二十歳を迎えたカナくらいの人向けであろうとは思うが若者のわたしにも充分に身体の芯へと伝わってくるものがあった。
love letterの時より人間の内面へと目を向けており、さらに目を向けている人数も増えていてその点だけではないが岩井監督は一体どこまで化けるんだろうと思った。
たいちゃん

たいちゃん