Iri17

ラストレターのIri17のレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
5.0
ずっしりと重い現実を描いているが、一瞬の夢のように美しい。
岩井俊二ワールド、、本当に好きすぎる…

人と人とを繋ぐメディアが簡略化され、希薄化されている現代。LINEやSNSのDMでコミュニケーションは済まされて、繋がりが電子化されてしまった現代に於いて、美しい2つのメディアの美しさが胸に響く。
一つは手紙、そしてもう一つは思い出である。

手紙は手で書くメディアだから、その時の想い、緊張、恋心、全てが一枚の紙で表現され、そこに残る。
最近は年賀状もやめましょうという風潮になっていて、心のこもってない形式的な年賀状なんてやめてしまえとは思うけど、今年は尊敬する先輩から貰って感動した。LINEやDMだったらあれほど感動しない。

この作品における手紙も同じ様に人の心を紡ぎ、動かし、未来に向けて希望を持たせてくれるものとして描かれていると思う。
美しかった。

そして手紙というメディアが年月を超えて紡いだのは思い出。大切な誰かの美しい思い出はいくら月日を超えようと忘れない。たとえ、どんなに悲惨なことになろうと思い出だけは一生美しいままだ。そしてその思い出は手紙によって受け継がれていく。

本当に美しい。これぞ愛の物語だと思った。
Iri17

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