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永遠の門 ゴッホの見た未来のjamのレビュー・感想・評価

4.0
降り注ぐ柔らかな光
その濃厚な黄色は、彼が心から求めたもの。

フィンセント・ヴァン・ゴッホ
彼のみた景色 感じた風の匂い

パリでの生活に疲れ
霧も灰色の光にもうんざりして
明るい太陽の光に導かれるように
南フランス、アルルへ


平らな風景を見ていると
永遠にしか見えない
僕にしか見えないのか?


ポール・ゴーギャン
何もかも正反対の二人だけれども
互いの芸術性を認めつつ
熱い議論を交わす


なぜ花を描くの?
本物の方がずっと綺麗なのに…

この花はやがて枯れるけれど、
僕の花は残る


彼の葛藤を物語るように
立ち枯れた向日葵のもとを彷徨うセピア色の風景と
糸杉が揺れ、葉のざわめきのなかを陽の光を浴びて歩く色彩豊かな風景が
現れては消えて。
残るのはピアノの音色


やがて成功を求めて去るゴーギャン
彼を引き留めるため
自らの片耳を切り落とすフィンセント

精神の危ういバランスは
観ているものの心をも揺さぶり


人に見せよう 僕が見ているものを
希望と慰めを与えよう…

僕の絵は僕自身だ
"生きるとは何か"を人々に感じさせられる

サン=レニでの治療を終えて
神父と語る彼

ジーザスも生きている間は評価されなかった
未来の人々のために、神は僕を画家にした
神に授かった唯一の才能

その晴れやかな容貌に
曇りのない瞳に

静かに想いが寄り添うのを感じて。



世界の見方を教えるものと思っていたけれど
自分と、永遠 その関係しかない



残るのはピアノの音色…
jam

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