パリのオルセー美術館で、彼の作品をみたとき、自然の中に漂う、哀愁漂う空気感を感じたのが今も忘れられない。
この映画は、“フィンセント・ファン・ゴッホが見ていたもの”に迫る、彼の世界観の物語。
世界中の誰もが知る、画家ゴッホ。
生前は、変人扱いされ、絵なんて注目されることのなかった男。
死を以て、彼は“天才”と呼ばれる画家となった。
監督は、画家としても有名なジュリアン・シュナーベル。
映画を見ているはずなのに、絵画を見に来たかのような芸術的色遣いの映像美。
カットひとつを切り抜いても、芸術作品をみているかのような錯覚に陥る。
主観的撮影法で、見ている我々を、ゴッホの目線へと誘ってくれる
ファン・ゴッホを演じたのは、ウィレム・デフォー。
彼の哀愁漂う演技が、ゴッホの波乱に満ちた人生を顕す。
それにしても不思議なのが、ゴッホが拳銃により死亡したのが37歳。
デフォーは撮影時63歳。違和感が全く感じ取れない。
天に召した偉人には、人類が生み出した数字=年齢なんて、関係がないということか・・。
P.S.奇遇にも、彼が晩年過ごしたオワーズは、僕の友人が住む県だ。
訪問した際は、オーヴェル=シュル=オワーズへ行って彼の足跡を辿ろう