Hiro

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のHiroのレビュー・感想・評価

4.4
「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/Little women」
美しい物語でした。過ぎ去ってしまった少女時代の鮮やかさ、その終わりの切なさ。

女性としての生き方が縛られていた時代、自分らしくありたいと思う反面で、誰かから愛されたいとも思う。そのジョーの想いがとても切なくて、涙が出てしまいました。

小説を元にしているからなのかもしれませんが、登場人物が皆んな魅力的で、とても愛おしい気持ちになりました。特にティモシー・シャラメ。「君の名前で僕を呼んで」からずっとファンですが、ローリーは1番のはまり役なのでは…?青年期と大人になってからの表情が全然違って見えたし、掴めない感じの性格もすごくフィットしてました。個人的には、告白のシーンの彼断トツで好きです。

なによりも映像が、セットがとてつもなく美しく、御伽噺の世界のようでありながら、現実世界のようでもある、その微妙なラインの世界観がたまりませんでした。
彼女達が暮らした家は、本当に「幸せ」で包まれていたし、パーティーのシーンなんかは、キラキラしていて、画面に映るもの全てが美しくて可愛くて、最高でした。

小説家としての成功を願う彼女が、一方で「幸せになりたい」と願っていたのはとても人間的だと思ったし、そこで変に「私は一人でも平気」みたいな描写を入れないのが凄く良かったなと思います。迷いながら、それでも自分の選択を信じようとする彼女はとても美しかった。
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