古典の若草物語を現代にという難関を、グレタ・ガーウィグは見事にやってのけている。
4姉妹の恋愛模様や将来への不安を描くドラマであり、現在とジョーが描く本の中の物語をわざと時間軸をずらしている。
本の中では幸せそうな4姉妹だが、現実はリアルで苦しい生活模様。
だから本の中が鮮やかに照らされていく構成。
古典なのに現代に通じる中身が見事であり、この時代に扱う意義がしっかりと感じられる。
シアーシャ・ローナンの生き生きとした表情や仕草。
それは他の3姉妹や、彼女たちと結婚していく男性たちも変わらない。
視覚的にも映える衣装や美術は見事だし、ジョーの恋愛を家族が後押ししようとする場面の多幸感は思わず微笑んでしまった。