くじらめくじら

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のくじらめくじらのレビュー・感想・評価

4.5
無粋でしかないけど、ジョーに文学の才能がなかったら、ローリーが貧乏男だったら、彼女たちに家族という帰る場所がなかったら、どうなってたんだろうと想像してしまう。
監督は全部わかってやってるのかも、だからこそのあの両義的なハッピーエンドなのかもしれない。ジョーはフィクションの力で姉妹たちを救ったが、監督はあのラストでジョーを救ったのかも。
個人的に小津の映画を観てる時と同じ気分になった。社会の規範と流行り、個人の幸せと家族の幸せの歪みの中でジレンマを抱く人々の話というか…小津の映画の底には楽観(あるいは諦念に似た虚無)のようなものがある気がするけど、この映画には割とシリアスな情熱を感じる。当事者意識かもしれない。
くじらめくじら

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