てるみ

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のてるみのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

姉妹たちはそれぞれ違った強さが描かれているし、ローリーもその祖父も、1人1人の登場人物に魂を感じた。

私は眼差しの描写が好きだった。
ローリーが1番最初にジョーの家族に出会ったとき、彼女たちを見つめる眼差し。
エイミーが久しぶりにローリーに再会したとき、馬車を強制的に止めて飛び降りて、好きな気持ちが溢れに溢れた眼差し。
ローリーの祖父が、ベスが弾くピアノを聴きながら、過去を思い返すような眼差し。
ジョーが最後、カリフォルニアに行くという教授を温かく見つめる眼差し。

ジョーが、1番自由奔放に見えながらも、1番責任感強く、家族1人1人を想って自らを犠牲にする姿が、とても心に刺さった。
長女でも末っ子でもなく、真ん中っ子なりの、人に対しての甘えられなさだったり、そこから少し損をしちゃう時もあったり、不器用さ、頑固さに共感した。
自分の心に対しての鈍感さが、無意識に感情だったりを押さえ込んでしまっている感じ。

結婚したいとは思わないけど、ただただ寂しい。その言葉が深く刺さった。
家族団欒から、皆が巣立って、愛が分散するとき、自分で自分を愛せたらいいけど、自信がなくてできない。

自分の心が何を想ってるのかって、
なかなか気付けないものだなって。
だから、そこをさらに抑えつけると、
感情たちが外への飛び出し方を忘れてしまう。
心と素直に向き合おうとも思った。
てるみ

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