「どうしようもなく寂しい。」
こんなに、「結婚しないで」と願った主人公もいない。
終わりに向かうにつれて、この映画の終わりが寂しくなる。
途中、これは主人公を追いかけるんじゃなくて、私自身の人生を断片的に思い出す為の映画なんだと気付いて、そこから画面の隅々まで見逃さないように引き込まれていった。
過去と現在が行ったり来たりする演出が、またいろいろなものを思い出したり、周りと比べてしまったり、後悔したり、期待したり、幸せを願ったり、その行ったり来たりの間にたくさんの感情が思い出される。
小説を書き上げてほしいと願ったり、女性として成功してほしいと願ったり、彼女だけの幸せを見つけてほしいと願ったり、やっぱり主人公ジョーに、私はずっと引っ張られてしまった。
グレタ監督もシアーシャ・ローナンも大好きなので、とても素晴らしい時間を過ごせました。映画館で観れて良かった。
(特に衣装やセットが素晴らしく、光の使い方も過去の温かさと現在の冷たさを上手く使い分けてて痺れた。)
それにしてもティモシー・シャラメのあの精巧な砂糖菓子みたいな造形はずるいですね。ふわふわの袖の服、現代人であんなに着こなせる人そういないよ。
