このレビューはネタバレを含みます
南北戦争時代の四姉妹の話。
アメリカの文学とか歴史について詳しくないけれど、南北戦争については、風と共に去りぬを読んでいたので少しだけ背景がわかった状態で観た。
余談だけれど、宮崎駿監督は、かくある ではなく、 かくあるべき を書きたいという立場をとっていて、わたしもジブリ大好きだけれど、個人的な好みとしてはすごく現実的な作品が好き。
だから、このお話は南北戦争時代にこんな心情になれるかなと疑問に思う点等はたくさんあった。
それから、一定の時間に、四姉妹それぞれを書いてしまっているからどうしてもひとつ一つのストーリーが深いとは言えなくなってしまうなーと思った。
主人公のジョーがとても魅力的だった。
女性が働くなんてあり得ない、結婚することがいちばんの幸せ、という価値観の時代に、自分は小説を書きたいという強い意志を持っていて
規格外で、小説を書き続けて芯があって、相手が誰であっても、自分の思いをぶつける。
だけど、家族に対しては愛情深くて、自分のいちばん大切である小説を書くことをやめることも厭わない性格。
ティモシーが主人公のジョーにプロポーズするけれど、どうしても愛せないと断るのだけれど、そのあと母親に相談した場面がすごく印象に残った。
ジョーが、私は今は、愛すよりも愛されたいからプロポーズを受けた方がいいのかどうか母親に相談したら、自分が愛せないのなら、それは愛とは言えないって笑顔で言うところが心に残った。
最近そのことに関して考える機会があってこのシーンを観た時に、私は仕事も一生懸命したいし、
結婚でもなんでもいいけど、ただ手放しで好きと思えるひとといっしょにいたいだけなんだなと気付いた。笑
姉妹のベスとジョーの海の前でのシーンが素敵だった。
病気である妹のベスが、運命には抗えない、潮がひいていくようにって言ったシーンが綺麗すぎて刺さった。
運命の流れみたいなものはある程度あるけれど、抗う行動をすることは自由だとも思った。
綺麗な作品だった。