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恐怖の報酬 オリジナル完全版のマテリアルのレビュー・感想・評価

3.0
オリジナルとリメイクが両方とも評価されている作品は珍しいのではないか。
こちらはリメイクの方である。

オリジナルと登場人物の設定が全然違う。
本作の中核となるニトログリセリンをトラックで運ぶ物語の後半は、オリジナルと似ているが、リメイクの方が描写があっさりしていると思った。
オリジナルの方は独特な執拗さがあり、それと比べてあっさりしているのは、緊張感は及ばないものの、個人的に悪くはないと思った。
時代による技術の格差もあるのだろうが、迫力はリメイクの方が優っている。
そして、リメイクの方が南米の雰囲気も充実していた。

それにも関わらず、評価がそこまで高くないのは、前半の人物描写が後半にいきていないように感じたから。
オリジナルの方は前半部分が長すぎるように感じ、そこは改善されていた。
しかし、前半に描いた各々の人物が持つ過去が後半とマッチしていない。
つまり、サスペンス的ではあるが、ドラマとしては今いち。
純粋にサスペンスに振り切るのであれば、それはそれでいい。
しかし、そのような意図だとしたら、前半の描写はこれでも長すぎると思う。

総合的にはオリジナルの方がいい出来映えだと思った。
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