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恐怖の報酬 オリジナル完全版のAKのレビュー・感想・評価

4.5
異常な音量で踊り狂う炎、猛り狂う風、軋む錆びた鉄。そんななか、最後の銃声は、湿気った音で小さくパンとなる。恐れ入りました、クソ面白かったです。

公式サイトのフリードキンの言葉が素晴らしかったので以下引用。

20年前、サスペンスの巨匠H=G・クルーゾーによるフランス映画の傑作、『恐怖の報酬』を見た。今なおこの物語は力を持っていると思っていた。食い詰めた4人の男たちが、ニトログリセリンを積んだ2台のトラックに乗り、油井火災の消火に向かう物語。
私にはこの物語が、互いに憎み合い、争っている国々が、核爆発事故を防ぐために手を組まねばならなくなることのメタファーのように思われたのだ。  クルーゾーの傑作とはキャラクターもエピソードも変えたかった、そしてリメイクではない、まったくのオリジナル脚本で勝負したかった。それは、堅気ではない男たちが、予測できない運命に逆らいながら生き残るために戦い続けるドラマだ。
私は彼らをただの悪人としては描かなかった。私の作品に登場する人物はすべて、誰もが善と悪を抱えた存在だ。偉大なフランスの監督、ジャン・ルノワールは、何故あなたの映画には悪人が出てこないのですか、と問われ、彼は「誰もがそれぞれの理由を持っているから」と答えていた。
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