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37セカンズのメガメガのレビュー・感想・評価

37セカンズ(2019年製作の映画)
4.0
生まれてから37秒間、呼吸が止まっていたことが原因で、手足が自由に動かない脳性麻痺に陥った女性が、新たな世界を追い求める物語です。
本作では、主人公のユマとその周りの登場人物の関係から、束縛と自由を対照的に描いています。
例えば、ユマは売れっ子漫画家のアシスタントとして仕事をしているのですが、当の漫画家は障碍者をアシスタントとして雇っていることを隠したがったり、母親は超がつくほどの過保護で、ユマのとる行動一つ一つに干渉しすぎてしまいます。
そんな日常に嫌気がさした彼女は、束縛を逃れるべく、ひとり外の世界へと飛び出す訳ですが、当然そこでは数多の苦難が待ち受けていました。
苦難に耐えた先には、幸いにも自由を追い求める人々との出会いが待っており、そんな彼らに影響されてか、次第に主人公は自身の主体性を確立させていきます。
自分の人生を切り開くためには、まずは行動を起こす。そうすると次第に周りの環境も変化していき、着実に理想へと近づいていく。
サミュエル・スマイルズの『自助論』の教訓は、障碍という巨大なハンディキャップを背負った人でも体現出来る、ということを本作を観て実感しました。
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