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マイ・ブックショップのKのレビュー・感想・評価

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)
3.5
1959年、イギリスのある海辺の穏やかな片田舎。この町には書店が一軒も存在しない。フローレンスは戦争で失った亡き夫との夢だった書店をこの町で開業しようとするが――

“良質な本は作家の魂から抽出されたエッセンスです”
良質な本を集めて、自作の本棚に並べて、開店準備をする彼女の多幸感に満ちた表情がとても心に響く。

一冊一冊、質感もデザインも違う背文字。頁と頁の隙間の匂い。
心が癒やされるエッセンスが散りばめられた世界観。町並み、瑞々しい緑、ピアノの旋律とナレーション、この時代のご婦人のファッション、どれを取っても癒やしに満ちる。

個人的にビル・ナイの威厳と尊厳のある深みある演技がすごくすごく胸に刺さった…。そして、ラストのクリスティーン。彼女が愛した居場所を守り、そして夢を引き継いだクリスティーンの覚悟。
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