Tanuki

ブルー・マインドのTanukiのレビュー・感想・評価

ブルー・マインド(2017年製作の映画)
4.2
アマプラで。子どもと大人の狭間にいる、思春期の少女。死や危険に憧れてしまうような、その時期特有の危うさ。背伸びする主人公のひりつくような葛藤が、徐々に体の変化に表れていく。ついに変わりきったときの、不思議な安心感。グロテスクで美しい、少女たちの青春映画。

人間ではない物に変態していく恐ろしさといえば、私は『ザ・フライ』を思い出す。見慣れた自分の体が、ものすごい勢いで姿を変えていくのを、止められない。もう隠しようもなくなっていく。繊細で無力な少女にとっては、抱えきれないほどに重い隠し事だろう。

軽薄で派手で怖いもの知らずな少女が、主人公の唯一の理解者として出てくるのがとても良かった。これも女性同士の連帯の物語。特に、自暴自棄になった主人公が、自分の体を粗末にしようとするのを、必死で止めるシーンが印象的だった。

できれば、主人公が最後にどうなるかは、知らずに見るといいと思う

ちょっと冴えない主人公が、イケてるグループに合わせようとしていろいろ無理する前半は、後半とはまた別の意味で見ていられなかった…。『エイス・グレード』を思い出したけど、『ブルー・マインド』の主人公の方が、根気がある笑
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