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楽園のことはのレビュー・感想・評価

楽園(2019年製作の映画)
4.0
吉田修一原作「犯罪小説集」を読んだうえで鑑賞しました。

5編の短編からなる「犯罪小説集」。

内、2つの物語が映画化させているのですが、原作を読んだ限りでは、どうして映画のタイトルが「楽園」なのか?

ピンとこなかったんですね。

映画を観ても、「楽園」ってどこにあるの?
と思う重い内容。

証拠もないのに犯罪を疑われる青年(綾野剛)
親友の失踪事件で心に傷を負ったまま暮らしている少女(杉咲花)
限界集落で孤立して心が壊れていく初老の男性(佐藤浩市)

むしろ描かれているは、「地獄」じゃないかって。

閉塞的な村での生き辛さ、集団心理が暴走した時の怖さも感じました。

2つの物語と3人の運命が交錯しているので、それぞれの視線でストーリーを追わないと分かりづらいかもしれません。

でも登場人物に寄り添って丁寧にみていくと、味わい深く鑑賞できる気がします。

タイトルが「地獄」だったら、「ほんとそのとおり、胸糞映画だよね」で終わってしまったかも。

「楽園」とつけられることで、「それぞれの登場人物の楽園は、どこにあるのか」「楽園にたどり着くにはどうしたらいいのか?」など考えさせられました。

あっ、あと本筋ではないけど、佐藤浩市さんと片岡礼子さんのラブシーン。
中高年のあーいう感じ、妙に生々しいなぁ、って思っちゃいました(笑)
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