3Dメガネ

楽園の3Dメガネのレビュー・感想・評価

楽園(2019年製作の映画)
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※ネタバレあり
※以下主張は全て個人の考えに過ぎません
『楽園』
デジタル配信&レンタル開始中🎥🎥
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【テーマ】
[閉鎖的な社会]
舞台は地方、いわゆる田舎である。
ドローンで空撮で撮ると、解放的である。
道路は遠くまで見通せ、鮮やかな田んぼが
区画内に綺麗に並んでいる。
ビルが立ち込める都会とは別世界である。
しかし本作で描かれるのは、田舎の闇。
閉鎖的な人間社会である。
変わり者、よそ者を迫害し、
自分達の都合の悪い事は押し付ける。
いわば彼らの捌け口なのである。
少女殺人事件の犯人に仕立て上げられる
知的障害の青年(この時点では犯人である確証がない)
変わり者といじめを受ける中年。
この閉鎖的な田舎社会には、
最早衰退の一途を辿るしかないのだろうか
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【鑑賞ポイント】
[何処にもない]
タイトルの‘楽園’という言葉に当て嵌まるのは、場所ではなく人である。
外国から目指した楽園は、地獄であり
少年は少女に楽園を作れと語りかける。
地獄の原因は迫害を行使する人であり、
楽園の創設者もまた人である。
決して場所ではない。
時に青年が楽園なんてどこにもないと囁く
運悪く彼は人に恵まれなかったのか。
日本という場所、田舎という場所。
そこに居住する環境で、その場所は
地獄にも楽園にもなる。
事実恋した人間がいる東京は、1人の少年にとっては楽園と化したのである。
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【まとめ】
今作は若者に希望を託した作品か。
年老いた人間の思考体系は変化の兆しがない。
終盤の老爺と少女の対話のシークエンスは
彼らの意見が決して交わらないことを示す
都会には孤独が、田舎には疎外があるのか
終始重たい空気だが、最後に一筋の希望が見られる作品でした。
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