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未知との遭遇 ファイナル・カット版のYUTAのレビュー・感想・評価

4.0
言わずと知れた名作!巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が贈る傑作SFファンタジー『未知との遭遇』!世界中の子供たちに夢と希望を与えたファーストコンタクト映画の金字塔!

政府の陰謀・宇宙人・UFO。これぞロマンだ!この3要素入ったらもう面白いに決まってる!

ただそれだけじゃない!
本作は芸術性も非常に高い!

まず「光」!なんと言ってもUFOのマザーシップが放つ閃光が美しい!あんなにデカくて強烈な赤と青の光を放って、圧倒的な存在感に畏怖の念を覚えずにはいられない!夕陽の如く、オレンジの光が少年の眼前いっぱいに広がるシーンは、天上から神が降りてきたかのように神秘的でノスタルジックな感情に浸ってまう!

そしてもう一つ重要な要素「音」!宇宙人と交信する為に用いられる音の信号。偉大な映画作曲家・ジョン・ウィリアムズによるあの5音は、誰もが一度は聴いたことがあるくらい有名!初めはゆっくりと送って、次第にスピードが上がり、最後はしつこいほどに反復する!これまた圧倒される!

異星人という言葉の通じない存在との接触を描いた作品だけに、お互いコミュニケーションを図るための重要なツールとして「光」と「音」が効果的に使われているのはなるほどなぁと思うのと同時に、本作の根底にはスピルバーグ監督の思想みたいなものがあって、だからこそ単なるSF娯楽映画として終わることなく、長い年月が経ってもこれほど多くの人の心に残り続けているのではないかと思いました。

インターネットが発達し、SNSなどで誰もが時間的・空間的に制限なく、いつでも・どこでも・だれとでも繋がれるようになった今の時代。バーチャル空間上で容易に繋がれるようになった反面、現実世界での繋がりはより希薄になってきています。そして、社会はより不寛容になり、他者を排斥し、国は壁を隔てる。そんな分断の時代にこそ、本作は希望を与えてくれる。生まれた国も話す言葉も違う者同士が互いに繋がり合うことや他者を迎え入れることの重要性を本作は教えてくれるんじゃないかと思います。

夢とロマンと、そして寛大さに溢れた映画。
それが『未知との遭遇』なんです!
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