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グリーンブックのtyapiokaのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.8
笑えるシーンを小刻みに入れつつ、差別も描きつつ実話という強い組み合わせ。黒人でも白人でも男でもない、という人物に焦点を当てることで、ままならなさがよくでていた。フライドチキンと手紙、バーでの演奏、翡翠のパクりなど印象的なシーンが多い。兄に手紙を出せ、というアドバイスや捨てられたコップが特に役立たなかったのは少し気になったが、自ら動いて彼のクリスマスに足を運んだのは一歩踏み出したということなのか。主人公のカラッとした性格がよく、男の友情とロードムービーが好きならおすすめできる。メイン二人の役者の演技がよい。特に笑顔。繰り返しみたい最高のショットや圧倒的な危機などはないものの、積み重なる差別には緊張感があり、最後まで楽しく見られた。白人の方が「俺の方が黒い」と言うのも、演奏しないというラストも、悪い警官かと思ったら親切な人だったのも、多様性が重要視される今こそ賞をとるべき作品だと感じた。奥さんの性格もよく、ラストの台詞にはクスリときた。手紙は内容もそうだが、夫が黒人とうまくいってることが嬉しかったのかもしれない。意外性などはなく堅実なつくりだが、楽しく安心して見られる。
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