さめまる

グリーンブックのさめまるのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

今更鑑賞しました。コメディ要素もある社会は映画で傑作でした。
 
ドクに躾けられ、トニーが変化していくのはもちろん、チキンの骨を投げ捨てるようになったり、トニーが翡翠の石を返したように見えて何もかもドクにはお見通しかつ、そんな盗みをするトニーを大目に見るようになる、トニーから「悪さ」を学ぶドクの変化も見ものだった。


黒人を差別する白人が、ボスと部下の関係になるという逆転からの、友人をなんとしてもクリスマスイヴまでに家族の元に返してあげたいという友情から、ボスと部下の関係を逆転させ、運転するというちょっとしたどんでん返しもよかった。

また、二度目に警察に車を停められた時、トニー、ドク、観客という全員が「また黒人という理由で罰を受けなければならないのか」と思ったが、ただのタイヤのパンクを指摘されるだけに終わる。これは、観客すらも、「差別がひどい」と思わせつつ、しぜんと、「黒人は差別されるのだ」という「差別」をしていると気付かされる。コメディやスカッとする要素が多いがこういった考えさせられる要素が散りばめられており、なお素晴らしい作品であると感じた。

最後に、暴力的でありながら、最愛の妻に苦手な手紙を書いて欲しいと言われると律儀に送り、さらに文体で夫のものではないと気づく、本当に相思相愛の夫婦像も素晴らしい。
さめまる

さめまる