イタリア移民の用心棒役ヴィゴ・モーテンセン、天才ピアニスト役にムーンライトのマハーシャラ・アリ、用心棒の奥さんはリンダ・カーデリーニ。どっかで見たなぁこの愛嬌のある美人。。と思ったらブロークバックマウンテンで離婚後、酒浸りのヒースレジャーに声をかけた酒場のウエイトレスだ。年取ったエレン・ペイジみたいでかわいいなぁ。インテリのピアニストと、イタリア移民のチンピラ。コメディ監督が撮っただけあって物語は軽快でユーモア、言葉にできない思いが沈黙として、友情を深めあう本気トークで映画は進む。とても良い映画なのだけど、なにかしっくりこない部分もあり、いろいろと調べていると「白人の救世主」という問題を指摘されているようだ。この問題は実話に基づくという形をとり、白人が非白人を窮地から救い、その過程において救世主は何かを学ぶという。現在でも解決されていない人種間の問題による社会の不満、不安を解消したいニーズ。かといって実社会で他人種と付き合うこともない。その上で、白人の優位性は確認しておきたい。ゲイはゲイ、黒人は黒人によって差別を克服し、地位の向上が図られてきた。しかしこの映画ではゲイの黒人は白人の救世主がいなければ自分の問題を自身で解決できない無能者として描かれているというのはうがち過ぎるだろうか。
