最高の二人のロードムービー!!!
差別意識がバリバリにあった時代の南部アメリカを舞台に、黒人のピアニストとその運転手(イタリア系白人)の三週間の演奏ツアーがこの物語だ。
演奏ツアーでの旅路であるため、この二人以外にもツアーメンバーもいるが、基本はこの二人の視点だ。
この二人のキャラクター描写が実に良い!
品が良く、博士号を持つインテリで、やや冷徹な黒人のドクター・シャーリー。反対にイタリア系のコミュニティで、口先を武器にチンピラのような暮らしをするトニー・リップ。
この相反する二人の人柄が、絶妙にマッチする。独特の掛け合いとお互いの道徳感の違いが良い。
そして、この時代の強烈過ぎる「差別」描写が生々しい。単純に訪れる街の人々というのもあるが、招いたホスト側にさえ明らか過ぎる差別がある。
それを平然とした顔で当たり前のように言うのがなんともまあ……ちなみにタイトルのグリーンブックは「黒人の旅行ガイド」の意味で、黒人が入れるホテルの名簿の事で、殆どアパルトヘイトだ。
そんな過酷な演奏ツアーを通して、価値観の違う二人の絆が描かれていく。特に最後の演奏は良い味わいになっている。
是非、ケンタッキーを食べながら観ていだきたい作品だ。