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グリーンブックのzonomanのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.1
人種差別をテーマに、だが決して重なくない雰囲気で終始描き切ったロードサイドムービー。

性格が真逆な2人の友情と主人公・トニーの成長を軸に描かれている。トニーはたまに無茶をするが周囲からも慕われているキャラクターで、ドグとの出会いからグリーンブックを使った旅にでるまでが簡潔に描かれている。(期間は8週間・クリスマスには戻ってくるというゴールが明確な分、観ている我々も非常に入り込みやすかった)

アメリカ南部(人種差別の色濃いエリア)では、ドグに危険が及ぶ場面も多々あったが、それを2人で乗り越え、より絆が結ばれていく様は心動かされたし、ガサツと几帳面といっけんデコボコにみえる2人の息が段々あっていく様子は見ていて楽しかった。
映画終盤、ツアーラストとなるステージを蹴って、地元のレストラン(黒人向け)でピアノを弾くドグのステージは旅のピークといっても過言ではない。

洋服・食事・ホテルと、さまざまな切り口から人種差別に関するアンチテーゼを発信しつつ、手紙・翡翠といったキーワードで映画としてのまとまりを作り上げる、家族愛と感謝の気持ちが溢れる作品でした。
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