とも

グリーンブックのとものレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0
あぁ良かった、目を覚ます素質はあるんや。

序盤のコップを捨てるシーンや目つきから
うわぁ…好きになれへん主人公や…って思ったけど

人との出会いで違う価値観の芯に触れ、
知って認めることで拡がってくトニーの世界。
これが実話とは、超嬉しい希望の変化。
’ 寂しい時は自分から先に手を打たなきゃ ‘ 素敵。

シャーリーはといえば
立派なお城の自宅、高級品の数々。
プライドの塊のような玉座に座り、なぜか上から。
なにこの人、と最初は思った。
旅するにつれて見えてくる人間性。
彼もまた素敵。


そんでやっぱ音楽って最高!
[ 時代モ世代モ国モ人種モ ナンナラ生態系モ超エラレル ]
あんな顔しててほしい。

それでもやっぱり
彼らが負ってきた傷を思うと、
心にある種の壁を作り、諦めにも似た理解をし
日々耐え忍んだ彼らを想うと
怒りが込み上げてこずにはいられない。
そしてそれは個人レベルでは決して昔話ではない。
ジェンダー問題も。

時々思う。
‘ 正しいも間違いもない ’
本当にそうか?

ここ10年以内の出来事で
肌が茶色いだけで汚物に触るかのような接し方をされ
うんこと笑われ、なぜか理不尽な扱いを受ける。
そんな経験をした人の話を傍で聞いてきた。
ここ日本でだ。ドクと同じようなことを言ってた。
これが間違いじゃないっていうんならなんなんやろう。
そんな風に接する人に対しては
嫌悪や軽蔑を通り越して哀れに感じる。呆れる。

だからこそ
実体もなければ誰にその思いをぶつけようもない
この"時代"や"共通意識"という濁流の渦の中で、
ドロレスのような愛の持ち方の人が私は大好き。
パンクを指摘した警官然り。
私もそっち側であり続ける。
とも

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