トニー・リップは男が好きな男。
大食いで腕っぷしが強く、たくさんの仲間がいるが、家族を愛してる。
スペルを間違える頭の悪さや、感情的で直感で生きているし、無作法でデリカシーもない。翡翠盗むしね。
ただ、素直に真っ直ぐに生きていることがかっこ良くて惚れる。
一方のドン・シャーリーは貴族のように優雅に暮らしているが、差別を受け入れながらも、品の良いチーターのように生きている、潔癖症で孤独な黒人のゲイ。
南部の非道で根強い差別も、とてもリアルだったな。
いろんな映画で表現されているけど、アメリカでは今でも差別や偏見が日常的にあるんだろうな。
1番好きなのは、やはりトニー。
旅を通して差別する側から、しない側へと変わってく。
他人の振り見て〜ごとく、他者を通して自身を振り返り目覚めていく。
綺麗事ばかりじゃなくて、黒人だって差別するじゃん!なシーンが盛り込まれていて、一方向ではなく複数の視点があることが、他の差別を題材とした映画と違う点で面白かった。
ラストの終わり方もいいし、音楽も素敵。
久しぶりにいい映画見た。