プライア

グリーンブックのプライアのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

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クラブの用心棒だったトニーが失業し、運転手として雇われる。
雇い主は黒人のドク。天才ピアニストで2人の白人とトリオを組んでた。
クリスマスまでの3ヵ月間、アメリカ南部のツアーに行った。

古い時代であり、南部は特に黒人差別がひどかった。
ドクは天才奏者なので金持ちの白人客からもてはやされる。
でも彼らは自らの教養のために来るだけで、差別は普通にあった。

例えば楽屋が物置だったり、トイレが白人専用で使えなかったり。
洋服の試着を断られたり、バーで絡まれたり、不当逮捕されたり。


ドクはマジメで神経質で口うるさい所があった。
トニーは元々は黒人を見下す品の無い男なので、それが煩わしかった。
でも音楽センスは認めてたし、差別に立ち向かう姿勢に次第に敬意を抱く。

ドクは天才ならではの孤独というか、いつもあまり楽しそうではなかった。
でもケンチキを食ったことがないというのでトニーが無理に勧めたら、
うまそうに食ったりして純粋な男だった。


そして最後の公演の前、会場のレストランで入場を断られる。
この頃には完全に差別を憎むようになってたトニーはキレる。
でもドクが制し、そこでの公演を断った。

こうして2人で街に繰り出し、黒人しかいない店で飲む。
そこにはピアノがあり、トニーの勧めでドクは演奏した。
あまりの質の高さに誰もが聞き入った。

やがて常連が別の楽器を持って乱入、共に演奏する。
この時のドクは、普段見せない本当に楽しそうな顔だった。


こうしてNYに帰る。トニーの家ではクリスマスパーティをしてた。
間に合わすために交代で運転を手伝ってくれたドク。
トニーは寄ってけよと言うが、ドクは断って帰る。

白人のパーティだから、微妙な空気になると知ってたから。
そう思うとトニーはあまりパーティを楽しめなかった。
そしてふと表を見ると、帰宅後寂しくなったドクがまた来てた。

喜んで迎え入れるトニー。そして嫁にも紹介。
嫁はトニーからの手紙が美文過ぎて、ドクの言葉だと分かってた。
なので耳元で手紙ありがとうと言った。

こうしてトニーとドクの交流は死ぬまで友人として続いた。
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劇場で見た。事実をベースとした話らしい。
何でやろ?いい映画って、時間が経つのを忘れるよな。
テンポのいい作品ではないけど、それでも不思議とそうなる。

正直言ってトニーはあんまり好きではなかったけどな。
でも最後は黒人に対しても敬意を持てる男に変貌できた。
決して仲良しって感じではなかったが、心が通じてる感じがした。

最後の方のバーでの演奏は涙が止まらんかったわ。
音楽を愛してるのは間違いないだろう、でも楽しいが一番。
天才であっても、根本の部分ではそれは変わらない。

最後に再会するところも相当泣いたわ。
トニーの嫁は元々黒人に差別意識を全く持ってなかったし、
事実上の代筆ながら、そこにドクの人柄を感じ取ってたのだろう。
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