炭火で時間をかけてじっくり芯まで心を温めてくれるような映画でした。
ふたりのキャラクターが対照的で、そして魅力がある。
トニーは粗野だけども竹を割ったような性格で食いっぷりがいい笑 ケンタッキー食べたくなるよ。シャーリーの苦悩や心の機微に触れて人種差別についての考えを改める素直さもある。
シャーリーはピアニストとして白人たちとやりとりをする自分、黒人である自分、そしてセクシュアリティで自身のアイデンティティに悩んでいた。『暴力は敗北』で、気品を失わず、差別への静かなる抵抗。繊細な心情が絶妙に演じられていた。グラスをピアノから退けて弾いたショパンの木枯らし。ルービンシュタインばりの気品を感じた。
最後、シャーリーがトニーの家族に対面するシーンが本当に好き。