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グリーンブックのyuのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても良い映画を観れて大満足。

まだ黒人差別が根強かった時代、黒人ピアニストとその運転士であるイタリア系白人のお話。実話ベース。

いや〜ヴィゴ様!!体重をかなり増やして役作りに挑んだとかで、お腹が!!ぼってり!!!全体的な厚みもすごくて、ものすごくリアルな中年っぷり。

ヴィゴ演じるトニーは学もないし、すぐに拳が出てしまうけれど、いつも家族や友人に囲まれ愛されているのがわかる。そんな彼も、黒人のグラスを捨ててしまうなど差別的。
そしてアカデミー賞俳優のマハーシャラアリ演じるドクターシャーリーは実力も教養も財力もありながら、どこかいつも悲しげ。

全てが対照的な2人が、だんだんと仲良くなるっていうありきたりな内容ではあるんだけど!2人のやりとりにすごく心があったかくなる。何よりトニーの人柄が魅力的だった。その仕事に就くまでは彼も潜在的に黒人を差別していたんだけど、ドクが差別されてるのを見て彼以上に腹を立てたりする。子供みたいな無邪気さがある一方で、押し付けがましくない優しさもあって、家族のことを大事にしていて、素敵だった。手紙のシーンは本当に笑い声を抑えるのに必死なくらい嬉しくて楽しいシーン!!!あとフライドチキンのシーンやドクが演奏しているのを見ているシーンなど、思わず口角が上がってしまう場面が多々!

旅の途中にトニーが友達に遭遇して「そんな仕事辞めて俺が仕事を紹介してやる」って言われた後、正式にトニーを誘おうとするドクの表情からの、トニーの返しが素晴らしかった。彼の不安とかを汲み取った上で、あんな風に言える優しさが。「この世は複雑だ」って、いつもデタラメばっかり言ってる彼が言うのはすごく響く。

それと、ドクに対する差別。バーに飲みに行くだけで絡まれて殴られて、っていうのはなんとなくありそうだなって想像できるんだけど、演奏に招待しておきながら、ニコニコ握手しながら、演奏聴いてブラボーと拍手しながら、「トイレはあれを使ってください」「このレストランは使えません」って言う上流階級の人たちが気持ち悪くて仕方ない。彼らは「個人的な差別ではない。この地区のしきたりなんだ」って言う。たしかに彼らは悪意なくそうしてるんだけであって、自分が差別してるわじゃないんだ、って感じてるんだろうけど、そういうことを無意識に出来てしまうことの方がよっぽどタチが悪くて差別の怖いところだなって。おかしいとわかってないってことがおかしい。

最後の会場でのやり取りはスッキリで、その後の演奏は感動で、奥さんの言葉も素晴らしかった!
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