CHEBUNBUN

グリーンブックのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
2.8
【今年の作品賞は読めない!】
第91回アカデミー賞作品賞はいつにも増して何が獲るかわからない。最有力の『ROMA』『女王陛下のお気に入り』があまりにアート映画過ぎてアカデミー賞っぽくないのだ。しかも今受賞に一番近い『ROMA』は、Netflix映画ということでアンチVODな人からは敬遠されている問題もある。また、今年は視聴率稼ぎか『ブラックパンサー』や『ボヘミアン・ラプソディ』といったキャッチーな映画も作品賞にガンガン食い込んでいる。

さて、そうなった時にダークホースとなるのがこの『グリーンブック』だ。この作品程第91回アカデミー賞の中で無難中の無難の風格を宿している作品はない。

ヴィゴ・モーテンセン演じるイタリアンマフィアとマハーシャラ・アリ演じる天才ピアニストの駆け引きにほっこりする。もはやワカンダの国王に相応しいのではと思う程の高潔さを持つ寡黙で真面目なマハーシャラ・アリに対して全力で接するモーテンセン。その果てにある笑みに胸が熱くなる。ファレリーさんも抑えた笑いを作り出せるんだと思う一方、毒が抜けたファレリーさんには不朽という言葉はなくなり、直ぐに風化しそうな作品となっていた。

確かに差別を軽妙に抱き、物語もしっかりしているが、幾分優等生過ぎるのが玉に瑕な作品でした。

日本公開は3/1です。
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