ちどり

グリーンブックのちどりのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

め、めちゃくちゃ良かった〜!!
想像してたよりすっごく笑顔になれる映画だった!
泣くタイプの映画かなと思っていたけど、実際はずっとニコニコして観てられる映画だった。
もちろん映画のテーマ的にドクは理不尽な目や辛い目にはいっぱい合うんだけど、実際よりだいぶ柔らかく表現しているなと思った。それに、辛い目にあった分だけトニーとドクの楽しい思い出で塗りつぶしてくれる。
ラスト、あまりの多幸感でエンドロールのときにボロ泣きしてしまった。

黒人と白人っていう対比もだけど、坊っちゃま育ちのインテリと大雑把で乱暴者の庶民っていう対比もあって、全然違う二人が心を通わせて変化していく様子を本当に丁寧に描いてくれてた。
トニーは“リップ”の名に恥じない口のうまさ要領の良さで、世間を知って上手く渡っていくことの大切さを。
ドクは品位を落とす差別に決して屈しないことで、「暴力は敗北」であり気品を高く保つことの大切さを。
そんな二人に欠けてた価値観をお互いに教えあって、うまく混ぜ合わせていくのが心地よかった。

それにしてもトニーは食べるシーンがめちゃくちゃ多くて気持ちよく食べるから見てて楽しかったな。わたしもチキンを窓から投げ捨てたい。
あと普段表情を崩さないドクが、演奏が終わる度にいつもパッと笑うのすごく可愛いなあと思った。ピアノが好きで好きでしょうがないことがあの笑顔から伝わってくる。

家族ものが大好きなので、ラストにドクがやってきてトニーの家族に歓迎されるのが本当に本当に良かったです。あまりにもドクの「孤独な城」とトニーの「にぎやかな家」を対比させて映すから、きっときっとドクは来るって信じてたけど、本当に来てくれたときはスタンディングオベーションしたかった。
一回質屋夫婦が来ることによって、ちょっぴりがっかりさせたところであのカット、ほんとにほんとに好き。
「寂しかったら先手を打つ」ことができるようになったドクは、きっと兄にも手紙を書けるようになるだろうね。

ドクが内容を代わりに考えていた手紙も、ドロレスを騙しているようで若干心残りだったんだけど、それも全部ラストで回収してくれたのも最高に嬉しかった。
そうだよね、わかるよね。愛する夫のことだし何より前の手紙と違いすぎるもんね。(前の手紙も徒然って感じでめちゃくちゃ好きだったけど)
分かった上でトニーが想いを込めて書いてくれていることが大事なんだと受け入れているドロレスがめちゃくちゃ好きです。愛なんだよなあ。
ちどり

ちどり