しん

グリーンブックのしんのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0
万人の心に響くロードムービー。
どこまでも豪快なリップは粗暴だが優しさを合わせもつ。
一方ドクターは天才的な才能と様々なこだわりを持ちながら、それでいて孤独だ。
この2人の旅の過程で描かれるドクターへの様々な差別をリップが大らかに包み込み、ドクターは粗暴なリップを人間的に成長させていく。定番ど直球の展開なのだが退屈にならないのが作品の質が高いことを示している。
全編通してシリアスになりすぎずユーモアたっぷり。意図的に感情的にならない作りなのだろう。
ドクターが弾くピアノを初めて観た時のリップの表情。仕草や目線一つで心境の変化を表していく描写は素晴らしい。
南部の雄大な自然とグリーンのキャデラックが走る姿は素晴らしいというほかない。
ヴィゴはクローネンバーグ作品のイメージが強かったが、改めてこういう役もできるいい役者だなと思う。
しん

しん