トニースタンキー

グリーンブックのトニースタンキーのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.3

大激戦となった今年のアカデミー賞を制した作品ということもあり、大いに期待していましたがそれ以上でした。公開初日ということもあって普段客足が伸びない地方映画館でもかなりお客さん入ってました。
ナイトクラブで働いていた用心棒のトニーがナイトクラブが閉鎖になり職を失ったため、差別が酷い南部でのツアーをする黒人ピアニストのドクの運転手として雇われ、差別や住む世界の違いに直面しながらも友情を育んでいくというストーリー。第91回アカデミー賞で作品賞を受賞しています。
運転手のトニーは雇われる前は相当な黒人差別主義者でした。それがよくわかるシーンが冒頭に多くありました。まずここの時点で「人種差別」というこの物語の1つのテーマが示されます。
この冒頭のシーンがないと最後のシーンで感動しなくなると思うくらいこのシーンは物語の中でかなり重要なシーンだったと思います。
その後ドクに雇われて黒人ピアニストの南部ツアーというあまりに無謀なツアーの運転手として2人で旅をすることになります。そしてここからの展開で肝となったのは人種としての力関係と財政的力関係が全くの逆という事だと思います。
ドクは豪邸に住んでいて超優雅な暮らしを送っています。それに対してトニーは家族を養うためにとにかく働かないといけない。そのため2人の間の常識が全く違う訳です。例えばケンタッキーを車で食べるシーンがありますが、ドクはそれまでケンタッキーを食べたことがないです。しかも骨つき肉の食べ方を知りません。それに対してトニーはケンタッキーめっちゃ大好きです。そのためドクはトニーから自分が知らないものをたくさん学んでいきます。
対するトニーもドクの振る舞いをみて黒人への偏見がなくなっていく。より自然に彼らが友達になっていく様子を描けているので、彼らが人種の壁にぶつかった時により悲しみを感じるし、ラストに感動することができると思います。そしてトニー役のウィゴ・モーテンソンの少し荒さを感じるような演技ととドク役のマハーシャラ・アリの見事に繊細な演技が上手くマッチしていたと思います。アカデミー賞作品って実はすごく感情移入しやすい作品があるのかなとおもいました。皆さんも映画館でぜひ鑑賞してください!