アレク

グリーンブックのアレクのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

ポップコーン片手にじゃなかったら彼らの食べるピザとかフライドチキンが美味しそうに見えて仕方なかっただろうなと思う。
黒人差別の映画だけど、シャーリーの立ち位置は単なる黒人ではなく「成功した黒人」なのが辛い。畑でボロを着て働く黒人達が、スーツを着て悠々と車に乗るシャーリーを見る時の視線がとてもキツかった。シャーリーはお金持ちの人たちにチヤホヤされてピアノを弾いて笑顔をばらまくけど、演奏をしたそのホールですらトイレを使えないという差別がある。教養の有無に関係なく根付いていた。どっちにも属せない、と雨の中の叫び声は悲痛だった。
最後の方のレストランの、「規則だから」「土地の伝統だから」と言って自分は差別をしていないと言いながらシャーリーを冷遇する人々を見て悔しくてたまらなかった。本当に差別をしていないのかもしれないし、規則をかさに着ているだけなのかもしれないが、どちらにせよ結果ああいう行動を取ってしまうのが本当に残念。警察を黙らせたときとか、レストランの要求を突っぱねたシーンはスカッとするけど、これが普通の、権力のない一般人だったら泣き寝入りなのかと思うとまた心が痛む。

かなりオブラートに包んでマイルドに、大衆受けするように作られている気がする。少し身構えていたけれど気軽に見れた。
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